楼門ことを駄目
それだけだ蝦夷が蝦夷であること嶋足も鮮麻呂も馬鹿だ。もう少し生きればそなたらとともに戦えたものを俺だけがこうして果報を得ている。朝廷と伍して戦える日が来るなどだれも考えなかった天鈴は言うと笑いに戻して、今夜は俺の腕を見せてやるか。ア若い頃を思い出したら派手な喧嘩がしたくなったぞだ。あの嶋足とて40を過ぎてからは滅多に抜かなくなったそんなに強いお人でありましたか選叫附即嶋足のことは阿豆流為もよく分からない存在である。蝦夷でありながら朝廷に仕えて大出世を果たした人間である。蝦夷の中ばかりか都で1番と恐れられた。俺が知る限りでは最強の男飛良子を前にしながらの言葉に阿豆流為は嶋足の腕の凄さを知った。それほどのお人がなにゆえ朝廷に?嶋足が陸奥守となれば蝦夷が変わる。そう信じて画策したが甘くはなかったということよ。嶋足に責めはない。嶋足とて今のそなたらの働きを喜んであの世で見守っておろう。道嶋嶋足、蝦夷にとっては口にするのも俸られる名となったが、いつかは分かる。あの男がなにを望みとしていたかがな珍しく天鈴はしんみりと口にした。嶋足どのはなにを望みとっ蝦夷が蝦夷であること。それだけだ蝦夷が蝦夷であること嶋足も鮮麻呂も馬鹿だ。