プライバシーだが教師

そさかのうえのたむらまろれと坂上麻呂。あの者とこの者たちを引き合わせようと思って参ったそれはまた主人はあんぐりと口を開けた。あの者とだけは戦さをしたくない天鈴は言って深い息を吐いた。あざまろこれはるきのひろずみあやだいり鮮麻呂が伊治城にて紀広純を殺めて、およそ10年。こたびの戦さも含めて内裏の報復策はことごとく失敗に終わった。特にこたびの敗北は大きい。諸国より5万の兵を動員して、全くなんの成果も挙げられずに軍を解体せねばならぬ事態に追い込まれた。これが蝦夷相手の戦さでなければ、朝議は和平を模索する道に傾いていたに違いない。この阿豆流為や伊佐西古に階位や官職を与え、戦さの終結を図ったはず。しかし、蝦夷では無理だ。人として一認めてこなかった者らを内みど裏に招き、同等の席に侍らせはすまい。それは同時に内裏の弱体を世に示すことにもなる。帝のぉ威信も地に堕ちる。それを承知の上で俺も和議に持ち込もうとしているのだが運ばれて来た酒を杯に受けて天鈴は苦い顔をした。阿豆流為たちも杯を手にした。公卿らに蝦夷との戦さを望まぬ者が増えているのは確かだ。あまりにも犠牲が大きい。しばらく陸奥から手を引くのが賢明と訴えておる参議も多い。

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